店主より

椎茸栽培を始めた訳

私は元々は谷奥建設の代表として土木工事などの建築業に従事していました。そんな中、約20年ほど前から何か別の業種に取り組んでみたいと思っていたのですが、あるとき徳島県が菌床シイタケの生産で全国第1位の生産高を誇ることを耳にしました。生産農家の方の話を聞くうちに、ぜひ自分でも椎茸栽培に取り組んでみたい、と思うようになりました。家族や従業員も賛成してくれましたので、近隣の農林事務所や県内外の椎茸農家の方々にもご協力をいただき、椎茸生産のノウハウを勉強させていただきました。

椎茸生産でのこだわり

とにかく“自然のままで育てる”を大切にしております。幸いにして私たちが椎茸を生産する徳島県美馬市穴吹は自然に恵まれた土地です。西日本を代表する霊峰・剣山(つるぎさん)からは澄み切った空気が吹き下ろされてきます。そうした自然豊かな環境が私たちの椎茸作りを支えてくれています。

せっかくの恵まれた環境ですので、椎茸栽培でも“自然のままで”を大切にしております。椎茸を育てて分かったことですが、良い環境で良い水を与えて、自然のままに生育させた椎茸は実に味の濃い、歯ごたえの良い椎茸に育ちます。無理をかけると良い椎茸が育ちません。私たちは収量が少なくなっても良い椎茸を作ることを目標にしました。

現在お客様にお届けしている椎茸は、非常に肉厚でサイズも大きいシイタケをそろえることができました。もちろん味も濃厚です。特別な手を加えることをしなくても、これほど立派で、美味しいシイタケが育つことに、私たち自身も驚いています。当社のシイタケを初めて見た方は皆さん「こんな立派なシイタケは初めて見た!」と驚かれています。中には「(帰省中の)親戚にお土産に持たせたい!」と言っていただける常連さんも! 


加工品への取り組み

菌床椎茸栽培に取り組み始めてから5年が過ぎたころから、従来の生椎茸だけでなく加工商品への取り組みも始めています。まずは椎茸の茎部分を使用した『じいじいの茎佃煮』の生産を始めました。じいじいの茎佃煮を開発にあたっては料理研究家の田中美和さんにご指導を頂きました。

じいじいの茎佃煮は7日〜10日間じっくり煮込んでいます。また砂糖は和三盆糖を使用いたしました。和三盆糖は徳島県の名産品です。時間と手間をかけた製法から生まれるやや色のついた砂糖は、甘さがくどくなく後味がいいため、和菓子の高級材料として使用されます。じいじの茎佃煮でも、甘すぎない繊細な味を生みだしてくれました。じいじいの茎佃煮に続き『じいじいのかさ佃煮』も商品化しています。

これからの構想

美馬しい茸協同組合では現在ギフト用化粧箱などを制作し、これまで以上にお客様のご要望にお応えできる体制づくりを行っております。もちろん基本の椎茸作りはこれまで以上に「基本に忠実に」「無理せず自然のままで」をまもって励む所存です。これからも「さらに美味しいシイタケを、日本一の椎茸作り」を目指していきますので、よろしくお願いいたします。